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2020年は、本当に復興オリンピックだと喜べるだろうか?

更新日:2020年4月25日

社ゼミでは毎年フィールドワーク(実地学習)を行っています。2019年は1泊2日で原発問題に向き合うために今の福島を学ぶという目的で、福島フィールドワークを実施しました。

2011年の原発事故から8年経った福島がどのように変わったのか・変わっていないのか、現地で暮らし活動する人々にお話しを聞きました。

(※写真は役場入口の植え込みに置いた放射線測定器。値は毎時0.65マイクロシーベルトを示している。)


フィールドワーク実行委員長の故郷・福島への想い


 私は福島県で生まれ、豊かな自然とあたたかい人々に囲まれて20年近くを過ごした。しかし、今から約8年半前に福島第一原発事故が生じ、福島は「フクシマ」として、放射能汚染の象徴の1つとして、世界中に知られることになってしまった。

 私の実家は沿岸部から遠く、避難を強いられたわけではない。それでも事故以来、自分の家族が作ったものが「汚いもの」として見られ、自分の故郷を話すと原発の話題が出されることが、非常に悲しく、また憤りを感じるものであった。

 そして更に、現政権は来年行われるオリンピックを「復興五輪」と位置づけ、道路や高い防波堤が綺麗に整備された状況のみを切り取って世界中に「復興」をアピールすることで、福島原発事故をもう終わったものにしようとしている。一方で、いまだ多くの元住民たちが帰りたくても帰れない実態が隠されている。

 本当に福島は「復興」したのか?事故はもう収束したのか?この問題は、現代に生きるすべて人が向き合わなくてはならないエネルギー問題なのではないか?これらの問いを探るべく、福島フィールドワークを企画し、決行するに至った。


スケジュール 

【1日目】

7:30  東京駅集合

9:46  福島駅到着

11:30 南相馬市到着

12:00 野馬土バスツアー。

福島第一原発20km圏内へ。

15:00 希望の牧場到着。

吉沢正巳さんにお話を聞く。

18:00 ホテル(南相馬市)到着→食事


【2日目】

9:10  ホテル出発

10:00 飯館村役場到着。役場職員の方々・佐藤村議のお話。

14:00 生涯学習プラザ(いわき市)到着。渡辺市議のお話。

18:16 いわき駅発→東京へ


みんなの感想


「FW全体を通して、3.11は終わっていない、という現実を強く再認識させられました。正直に申し上げますと、原発班として活動を始めるまでは、自分の中では3.11は過去の出来事でしかなかったように思えます。原発労働者のことや、未だにふるさとへ帰ることができていない方々のことを知り、これほど大きな問題になっているにもかかわらず全く知らなかった自分のことが怖いとも思いました。

 個人的に、さまざまな話を聞くことで励まされたというか、自分の生き方についても考える機会ができました。去年は自分の将来についてあまり関心がなかったからかもしれませんが、将来について悩んでいる今は、無意識のうちに自分に引きつけて考えてしまいました(2年・I)」


「今回は、「復興」というものについてとことん考えさせられるFWだった。街の外観は新しく生まれ変わったが、戻ってくる人がいない。人の居場所を取り戻せたかどうかを置いておいて「復興」と叫ばれても、それは真の「復興」とは言わないのではないか。だが国や自治体は、そんなに何に使うのかと思うほどの多額の資金を投入し建築を行えば復興だと主張する。それは違う。人なきところに復興なし。これが自分の中で強く抱いた印象だった(3年・O)」


「(原発事故後に)処分された家畜や、体に白い斑点が出てしまった牛の写真にも驚いたが、お話をしてくれた吉沢さんから伝わる原発や政府、東電への怒りには凄まじいものを感じた。私たちは浪江を絶望の町にしてしまった原発を本当に維持するべきなのか、廃止するべきなのか考えなければならない。それは福島に住んでいるからとかは関係なく、国民一人一人が日本全体の問題として捉えていくべきだと思う。沖縄の米軍基地問題と同じで、国策の被害はどんどん忘れられ、地元の反対の声は無視され、さらに強力に進められている。被害は決まって地方が受け、政策の議論は東京で行われる。原発事故はこの国の在り方の問題点が凝縮されているのではないだろうか(3年・I)」

さらに詳しく知りたい人はツイッターからDMしてください!


#福島 #原発事故 #復興 #希望の牧場 #野馬土バスツアー 

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