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医学部入試の性差別、性暴力の無罪判決、どう考えますか?

更新日:2020年4月25日

 2019年、現問研「差別と人権」班では、日本における女性差別の現状について考えるために、外部講師(大学教授の先生と弁護士さん)を招いた特別研究会を行いました。


 日本における女性差別ときいて、ピンとくるでしょうか??


社会進出の女性差別

 昨年(2018年)、順大医学部、日本医大の入試において女性の点数が意図的に低く設定されていた、というニュースが話題となりましたね。

 

 大学は「女性は妊娠して仕事を続ける可能性が低い」「女性は男性医師のように長時間働けない」など主張しましたが、皆さんはこの主張を聞いてどう感じますか?


 「確かにそうかも…」「仕方ないのかな」と感じられたなら、それは無理のないことかもしれませんね。今の社会では、人を、働く能力、生産性で判断する見方が大分根強く存在しています。皆さんにも、知らないうちにこの考え方が浸透していることは否定しえない事実でしょう。

 

 ですが、先ほどの大学側の主張を、落ち着いて考えてみてください。妊娠して仕事続ける可能性が低いのって、産後の職場復帰の支援が遅れているからではないですか?そもそも長時間労働も異常ですが、身体的な性差を無視して男性並みの働き方を強いられること自体問題ではないですか?これらの問題が、「女性だから」という言葉で女性のせいにされているのっておかしくないですか?

 労働力不足や経済格差が叫ばれる現代、アベノミクスの成長戦略の柱として女性活躍推進法が掲げられるなど、女性を社会へ押し上げる圧力が強まっています。

 その一方、家事や出産・育児と仕事の両立の難しさ、化粧、パンスト、ハイヒールなど女性らしさを強要される、女性でも身体的性差を無視して男性並みの働き方を強いられる...など、女性が働きづらい状況も浮き彫りになってきています。

 人を生産性で見る視点をこえて、働きにくい環境を超えて、男女ともに、誰もが困難なく働ける社会-どうすれば実現できるのでしょうか。


性暴力に対する判決


 

 問題は社会進出の女性差別だけではありません。

 

 この国では、性暴力事件が有罪判決となりにくい現状があります。

 

 今年5月、性暴力に関する無罪判決が大きな波紋を呼んびました。

 被害女性の美羽さん(仮名)は、中学二年から、実父による性的行為を受けていました。美羽さんは抵抗していたが、父を制止できませんでした。

 こうした過酷な状況のなか、2017年9月15日、美羽さんが豊田市役所に相談し、事件は公となり、実父は起訴されました。


 精神鑑定を行った精神科医は、性的虐待などが積み重なった結果、「抵抗できないのではないか、抵抗してもムリなのではないか」といった抑圧された心理状態になっていたと診断しましたし、裁判所は「同意はしていなかった」と結論付けました。


 にもかかわらず、「両親の反対を押し切って専門学校に入学できるほどだった」などという理由で、「抵抗できないほどの精神状態に陥っていたとは判断できない」として、実父に無罪判決が下りました。

 現状の法制度では、「合意がなかった」「抵抗する意思があった」の二つの点が認められぬ限り、有罪判決となりません。しかし、後者の基準がかなり厳しいのです。上述の事件のように、「合意の欠如」が認められていても、「抵抗する意思」が認められないために、無罪判決となるケースが多いのです。

 日本は、性暴力の対策について、遅れています。この現状とどう向き合うべきでしょうか。


 「差別と人権」班では、このような女性差別が起こっている原因を分析し、論文としてまとめました(取り扱っているのは女性差別だけではありません)。気になる方はぜひ論文をチェックしてみてくださいね。


#MeToo #性差別 #差別と人権 #医学部入試差別 #女性の人権

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