映画『主戦場』
- syasemi2006
- 2021年3月28日
- 読了時間: 1分
2020年の春に、映画『主戦場』をサークル内でメンバーを募って観に行きました。
この映画は、戦時中日本軍によって性的に搾取されていた「慰安婦」の方々をテーマに制作されたもので、「慰安婦問題はフェイク」だという主張をする側とそれを批判的に捉える側との論争が、両サイドへの膨大なインタビューを通じて対立的に描かれています。

特に印象的だったのは、「慰安婦問題はフェイク」だとする側の人びとの中に、慰安婦問題に関する研究やその著作について「知らない」、「読んだことがない」と述べる人や、「慰安婦の存在を認めてしまうと日本が戦争に負けたのを認めることになる」という認識を語る人が描写されているシーンで、ほとんどその主義主張の根拠となり得ないような言説が多く見られたことで、それに対して膨大な資料や研究をもとに批判を加える側の理路整然さが際立って見え、この問題においては適切な議論が行われていないのではないかという印象を受けました。
またこれが映画内だけの話でなく、こうした食い違った議論が日本において実際に行われているのだということに空恐ろしさを覚え、「慰安婦問題」を歴史修正主義的に捉えるのではなく、現実や実態、当該研究などを通して見ていく必要性があると強く感じました。
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