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社ゼミOBからのメッセージ

社ゼミのOBの方から寄稿していただいたメッセージをご紹介します。

 今回紹介するのは、弁護士として活躍しているペンネームS.wさんからいただいた、新入生に向けてのメッセージです。


新入生に伝えたいこと 2011年入学


 こんにちは。新入生の皆さんは,大学で何をしたいと思っているのでしょうか。遊びでしょうか,サークル活動でしょうか,資格勉強でしょうか?

 私は,もともと弁護士になりたくて中大法学部に進学しました。入学した当初は,真面目に試験勉強して,適当にサークルやればいいかなと思っていました。新歓で社ゼミの先輩に誘われて資本論を読んだり,論文を書くといわれて正直おもしろいのかなと思いました。

 でもやってみるとおもしろい。何より自分の興味関心に合わせてテーマを決めて学習するという経験がこれまでなかったことに気づかされました。班ごとにテーマを決めて分担して学習していくと今まで知らなかった問題点が次々と出てきます。今まで自分が知らなかったこと,考えて見なかったことを知りたいという気持ちが出てきます。また,社会問題を実態から考えること,他人に伝えていくことを学ぶことができます。

 弁護士となったのちも,社ゼミで培ったことは生きていると思います。依頼者の方の抱えている問題の背景を依頼者個人の問題のみではなく,社会的な問題であることを認識するという視点です。

例えば,生活保護を受けなければどう考えても生活できない方がどうしても生活保護の申請を嫌がるといった場合が多くあります。これは依頼者が意固地なだけでしょうか?

 どうして嫌なのか聞いていくと以前役所の方から否定的な対応を受けたことや,何よりも生活保護を恥であると考えていることがわかります。では,どうして「恥」なのか?恥の原因が,社会的問題を含んでいます。

弁護士は権利救済が主ですが,社会の問題点に気が付いて改善を求める仕事でもあると思います。問題の一端に気が付けるのかは,法律の知識というよりは問題の本質にどれだけ気が付けるかということです。

 大学に入学すると就職活動であるとか,資格勉強のためのセミナーを頻繁に見かけるでしょう。もちろん将来のことは大切ですが,その職業についてどのような仕事をするのか,何をしたいのかということを大事にしてほしいです。これは,大学生のうちに確固たる信念をもって進路選択をするべきということではありません。なぜ自分がその職業を選びたいのか,社会で何をしたいのか向き合ってほしいということです。私は司法試験に合格できるか不安になったこともあるので,目に見える「役に立つ」勉強をしたくなる気持ちはわかります。でも,新入生の皆さんには,今しかできない成果を求められない学びを思う存分やってもらいたいと思います。


 
 
 

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