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社ゼミOGからのメッセージ

社ゼミのOBの方から寄稿していただいたメッセージをご紹介します。

 今回紹介するのは、保険会社勤務のペンネームはなまるさんからいただいた、新入生に向けてのメッセージです。

新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。

中央大学に入学された皆さんは受験勉強においても相当な努力をされてきたことでしょう。


大学生活の入口に立った皆さんは今、どのような学生生活を思い描いているでしょうか。


引き続き努力を重ねて有名企業に入社することを志している人もいれば、自分の興味関心を学問を通じて究めたいという人もいるでしょう。


それらの将来像はこれからの大学4年間の講義だけで叶えられるものでしょうか。


私は大学入学当時、女性や子どもの貧困に関心があり、何か力になりたいと漠然と思っていました。

しかし「なぜ貧困問題が起こるのか」はわかっていませんでした。

貧困に苦しむ人は、努力をしなかったからか?運が悪かったからか?

問題の根底には、それらを助長する社会のしくみがあることを社ゼミで学んでいきました。


大学生と一口に言ってもバックグラウンドは様々です。当時、社会保障の研究会では、例えば、祖父母含む三世代家庭育ちとシングルマザー家庭育ちでは、同じ文献を読んでもとらえかたが全く異なるということがありました。私たちは知らず知らずに自分のフィルターをかけてものをとらえているのです。それでもそんなお互いの「差異」を認めながら、議論を進めていく中で、他者の視点が得たり、人の痛みを知ったりして、自分の認識が深まっていくのがわかる研究会でした。


そして社会の中の「弱い立場」や「マイノリティー」の人々の現状を知り、それに共感し、ともに考え学ぶ仲間がいることに心強さを感じる体験でもありました。


世間では、自分が「弱い立場」になるなんて夢にも思っていない人たちが、平気で「弱い立場」の人を切り捨てるようなことを言ったり実際にしたりしています。でも本当は誰もが、あっという間に自分がその「弱い立場」になるかもしれないのです。

そうであれば、誰もが自分らしく生きやすい社会を選びたい、そう私は考えるようになりました。


私は今、生命保険会社で働いていますが、生活に困る人が増えないように、学びたくても学べない人が増えないようにという気付きや学びが、結果的に進路選択にも影響していると思います。


どういう形かはさておき、これからを担う皆さんの将来がそのような視点とともにあってくれることを願っています。

他者に寄り添う気持ちをもった人が一人でも多くなれば世の中の皆がもっと生きやすい社会になると日々働く中で実感しますし、そう信じています。



 
 
 

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